雨の降る砂漠地帯で長距離陸送をしていたジムは、ヒッチハイカーの男を拾う。
不気味なその男は突然ナイフを出し、「俺を止めてみろ」と脅すのだった。
『ブレード・ランナー』(82)でレプリカント役を演じ異彩を放ったルトガー・ハウアー主演の怪作。
公開当時はあまり興行収入は良くなかったようですが、
J・J・エイブラムス監督やクリストファー・ノーラン監督に影響を与えたという、
今だにファンの多い作品です。
私は最近観たんですが、
なんでこんな面白い作品に手を出さずに生きてきたんだ!!
って後悔しました。
内容は至ってシンプル。
やばいヒッチハイカーを拾った青年が、
男にも警察にも追われ人生が破綻していく様を描いているんですが、
一見なにも残らない作品なのに最後は胸熱で目頭が熱くなるという、
いい意味でわけのわからない作品なんです。
優男だった青年がヒッチハイカーに追われ銃を手にし、攻防戦を繰り広げていく中で表情が明らかに変わっていく様は一種カタルシスで、最後には敵であるヒッチハイカーになぜか友情にも似たものを感じてしまえるほどに二人が似通っていくのです。
ヒッチハイカーの男の目的もはっきりせず、
ヒッチハイクする先々で人を殺し、青年を飼い殺すように嫌な距離感で追い詰めていく不気味さがたまらない。
ヒッチハイカーを演じるルトガー・ハウアーのサイボーグ感ある存在感が見事にマッチしていて、
虜になること間違いなし。
海外に行っても絶対にヒッチハイクしたくないし乗せたくないなと恐怖が増す今作。
なぞに胸が熱くなるラストに虜になってください。
- ●ヒッチャー(1986)
- 監督ロバート・ハーモン
- 出演ジム・ホールジー/ジョン・ライダー/グレース・アンドリューズ