14歳のエリザベスはとある夜に寝室から誘拐され山中で過酷な生活を強いられる。
彼女を誘拐したのはある宗教にハマる男女二人だった。
実話を元にしているのですが、拉致られた少女本人も登場して語るという再現VTR風の作りがドキュメンタリーの体をなしている一風変わった作品です。
アメリカでは誘拐事件の生存率はなんと2%らしく、
その数少ない生存者のエリザベス。
彼女は妹と共に寝ていたベッドから誘拐され、8ヶ月もの間毎日のように強姦されて信者として生きることを強要されるという恐ろしい日々を過ごしていたらしい。
想像するだけでも寒気がする事件です。
その日々を彼女の目線で描いているのですが、もう生々しいったら。
神からの啓示を受けたからと「世界中の処女を救うのだ!」と言って少女を強姦するク○男始め、その男の第一夫人という立場で少女に辛く当たる女もやばい。
救いのない日々の連続だけれども、少女の決して諦めない気持ちに心打たれる力強さに満ちた作品になっています。
家族がいても侵入されて誘拐事件が起こる、なんて普通なら考えられないことですが、いつ私たちの身に起きるかもわからない。
啓蒙の意味でもエリザベスから勇気をもらうためにも観て欲しい。ぜひ。
- ●エリザベス 狂気のオカルティズム(2017)
- 監督サラ・ウォーカー
- 出演アラナ・ボーデン/スキート・ウールリッチ/エリザベス・スマート