NASAの研究員アイザックはセラピーのためにカメラで日記をつけていたところ、偶然にも未確認飛行物体を捉える。
墜落現場に向かった彼は地球外生物と遭遇し、アブダクションされてしまうのだった・・・。
2021年にアメリカが公にUFO(未確認飛行物体)の存在を認め話題になりましたね。
宇宙軍なるものも発足し、いよいよ本格的に宇宙間戦争の時代になるのか・・・なんてワクワクしたりして。
ムー愛読者のオカルターアサミヤは早く未知なる生物と遭遇したいなと日々思っているんですがね、そんな人間も満足させてくれるSF作品に出会いました。
それがこの『ディメンション』。
あらすじにあるようにある青年が未知なる生物に遭遇し、なんとアブダクションされ、さらには謎のパワーまで手に入れちゃうっていう羨ましい限りの内容!
カメラにその未知なる生物の姿がばっちり映ってるもんだから、当然のごとくネットに公開して一躍トキの人となるのです。
ここまではもう順風満帆。
だけど、いまどきは素人でも精巧なCGが作れる時代ですから、この映像も偽物だ!って疑われてしまうわけです。
今作の面白いのはここからの展開。
世間に対して宇宙人の存在をいかに証明するのか・・・という闘いになるのかと思いきや、
もっともっと壮大な方向に転がっていきます。
過去にも同じようにアブダクションされた男とのコンタクト、彼を追う謎の組織との攻防戦、そして肝心の未知なる生物とのリコンタクト。
思わぬ方向に進んでいく後半は壮大と言いながらもとってもコンパクトにまとまっていて、正直好き嫌いは分かれるでしょうが個人的にめっちゃ好み。
なんてったって未知なる生物の敵でも味方でもない立ち位置。
ちょっとネタバレになっちゃうかもしれませんが、ただの観察者であるという立ち位置がとってもリアル。
たぶん実際に宇宙人がいたら我々地球人を敵とも仲間とも思わないだろうし、アリを観察するぐらいの意識なんだろうなと思うのでね。
作中の宇宙人とのリコンタクトには監督のこだわりが見えるのでぜひ観てほしいのです。
要所要所で妙にエモい若者音楽で盛り立ててくるし、謎の組織のAIはモロに人間味あふれるし、なぜか行動を共にするハッカーはマジでなんでいるのかわかんないし、せっかく手に入れたパワーを全くもって活かせてないし、数々の突っ込みどころはありながらも良い作品にしようという努力が見える愛すべき作品なのです。
自分がもしもアブダクションされたら、なんて妄想を繰り広げながら観てほしい。ぜひ。
- ●ディメンション(2020)
- 監督エリック・デミューシー
- 出演ライアン・マッソン/ハイディ・クアン/クリスチャン・プレンティス