
あなたの夢は?
徳島にベンチャーキャピタルを持ち込んで、スタートアップエコシステムを作ることが、僕の夢です。
あまり聞きなれない言葉だと思うんですけど、ベンチャーキャピタルというのは、ベンチャー企業に投資する組織のこと、スタートアップエコシステムというのは、スタートアップ企業を支援する仕組みのことです。
ベンチャー企業に投資する組織を徳島に持ち込んで、徳島からたくさんベンチャー企業を出したいと思っています。
他の地方で、こういった取り組みをすでにされているところもあるみたいなんですけど、あまりうまくいっていないことが多いみたいで。でも、僕はこれが徳島なら絶対実現できると信じています。
ベンチャー企業って、東京や大阪などの都市部に多いと思うんですけど、事業によっては実証実験がしにくいこともあって。例えば、ベンチャー企業で、ドローンを使った事業をしましょうってなった時、都市部だとビルがたくさんあって、ドローンを飛ばすことが難しいじゃないですか。でも、徳島なら、行政と協力した実証実験ができるという可能性って都市部よりも高いと思うんです。つまり、東京などの都市部にはない可能性があるんですよね、徳島には。都市部からじゃなくて、地方からベンチャー企業を出したり、こういう仕組みを徳島に持ち込みたいというのが僕の夢です。
夢をもったきっかけは?
僕は、ビジコン(ビジネスコンテスト)に出場したりもしているんですけど、その繋がりで、アメリカのシリコンバレー、世界で最もベンチャースタートアップ企業やベンチャー企業が生まれている場所に視察に行きました。実は、それまでは東京で頑張りたいと思ってたんですけど、シリコンバレーに行ったことで、考えが覆りました。
シリコンバレーって徳島に似てるんですよ。景観の理由から、高い建物を建てられなくて、東京とは全く似ても似つかない構造で、みんなが車で移動していたり。そういったことから、「徳島に似ているな、ってことはスタートアップ創出に徳島はピッタリなのでは?」と思いました。
もうひとつは、神山まるごと高専ができたこと。以前、神山まるごと高専に行くことがあったんですけど、神山まるごと高専生と関わった時、熱量がすごくて、とても将来を感じたんです。
地方でスタートアップ創出のエコサイクルを作ると、投資家ではなく、プレイヤーが足りないことが問題になってきます。プレイヤーは基本的にたくさん人がいるところに集まるので、都市部にはたくさんいます。都市部に行ったら投資をしてもらいやすいし、BtoBのビジネスであれば、たくさんの会社を周りやすいので、都市部の方が圧倒的に有利です。だからプレイヤーは地方には少ないんです。
でも、たまたま神山まるごと高専という画期的すぎる学校が生まれたおかげで、徳島にプレイヤーがドッと流れ込んできました。彼らを、資金だけではなく全方位的に本気でサポートできる、ベンチャーキャピタルの上位互換というか、そういうものがあればいいなと思って、今に至ります。
夢を叶えるためにどんなことをしている?
英語を勉強しています!日本では、地方でスタートアップなんていうのはあまりないので、海外のシリコンバレーから学ばないといけないと思ってるんですけど、それを学ぶためには英語が必要なので。
あと、僕はプログラマーなんですけど、「こんなサービスがあったらいいな」というアイデアを思いついた時、とりあえずプロトタイプを作って実践して、みたいなこともやっています。
不安や苦労したことは?
ないわけではないけど、これからじゃないですかね。僕はまだ入り口に立ったばかりで、新参者、未熟なので。これから行動していったら、たぶんたくさん苦労やつらいことがあると思います。今は「こんなことで苦労しました」っていうのは話せるレベルじゃないので、今のところはないです。
徳島で夢を追う理由
神山まるごと高専があるからですね。例えば、ビジコンやって起業資金出します、とか、クラファン手伝います、とか、いろんな地方でやってるけど、あまりうまくいっている印象がなくて。結局プレイヤーが少ないんですよね。アメリカに行った時に知り合った人も、「地方でスタートアップエコシステム作るために頑張ってるけどプレイヤーが足りない」と悩んでいました。
でも、徳島なら、神山まるごと高専生、つまりプレイヤーがたくさんいるんです。
何かチャレンジしたくても、学生じゃできないことってあるじゃないですか。サービスを思いついて試してみたいってなっても、普通はとてもお金がかかるんですよね。学生だとかなり厳しい。そういう資金の支援もしないといけないし、でも、ただ資金を提供するというより、そのプロトタイプの作成を援助するとか、プレイヤーと伴走していきたい。それを神山まるごと高専の人たちと一緒にやっていきたいから、徳島でやっています。
徳島で頑張っていてよかったと思うこと
神山まるごと高専を創った人たちは、20年くらい前から「神山をシリコンバレーにする」と言っていたそうなんです。そういうことを言う大人がいて、しかも、それがまさに今実現されている。そんな徳島に生まれたのは非常に幸運で、運命だと思います。
読者へメッセージ
面白い徳島にするので、いつか徳島にみんな帰ってきて、みんなで徳島で楽しくまちづくりしましょう!
インタビュー動画はこちら
※この記事はフリーマガジン「AWAP 2024年号」に掲載された内容をWEB用に再構成したものです。
取材は、2023年11月18日(土)に開催された公開収録イベント
「夢語りシンポジウム」にて実施されました。
あとがき
同じ2004年生まれの徳島県出身として、彼のことをすごく誇りに思います。感銘を受けました。夢を語る姿が眩しかったです。彼のようにビジコンの全国大会に出たり、実際にアメリカまで行くことはなかなか難しいですが謙虚で低姿勢で努力家なところを私も見習おうと思います。