
あなたの夢は?
私の夢は、編集やライティングの力で徳島の既存の価値を新たな視点でみんなに提案していくことです。
夢をもったきっかけは?
実は私も、徳島のことが嫌いになって県外に出ていった一人で、大学生のころは神戸にいました。神戸では、デザイン事務所や編集プロダクションの皆さんたちと一緒にお仕事をして、そこで物事の面白がり方を教えてもらいました。そのおかげで徳島に戻ってきた時には「徳島ってめちゃくちゃ面白い場所やな」って思えたんです。でも、「なぜ私は高校生の時、このことに気付けなかったんだろう?」と考えた時、そういう面白がり方を教えてくれる大人がいなかったからかなと思ったんです。
徳島に戻ってきた時に、編集や自分が得てきた技術を生かして、徳島の面白がり方をもっとみんなに伝えることができたら、「徳島っていい場所やな」と高校生や大学生たちが思ってくれるんじゃないかなと考え、今の夢に至りました。
夢を叶えるためにどんなことをしている?
私は、あわわというタウン情報誌の会社で勤務する傍ら、フリーランスとしても、ライター・編集者をしています。フリーの方では県内企業や県外のメディアからお仕事をいただいており、徳島の魅力を伝えるような記事を書いています。
ライター・編集者としての目標があって、例えば県外のメディアからお仕事をいただいて「徳島ってどんな場所なんだろう?」と興味を持ってもらえた時に、自分の引き出しをいっぱい持っておいて、いろんな提案の仕方ができるように、と思っています。そのために、時間ができるたびに面白そうな場所を探したり、遊びに行ったりたりしています。
不安や苦労したことは?
振り返ると、あんまりなくて。制作業はハードな仕事ですし、渦中にいる時は、大変なこともあります。でも、それを乗り越えて改めて振り返ってみると、達成感や喜びの方が上回っていますね。不安や苦労があったとしても、いい記憶の方に塗り替えられてるのかなと思います。
徳島で夢を追う理由
一つは徳島が地元だから、もう一つは仲間ができたから、です。実は、関西から徳島にUターンしてきた当初もあまり楽しくなくて。でも、大人になってから出会った友達で、同級生のデザイナーや、私と同じように徳島に対して、もやもやしてる子がいたりして、ちょうどみんなUターンしてきた時期が同じだったんです。この仲間たちと一緒なら、大きな可能性があるんじゃないかなってすごく感じました。地元だったことに加え、こういう仲間ができたことが大きな理由です。
徳島で頑張っていてよかったと思うこと
そういう一緒に頑張っていける仲間ができたのは、徳島に戻ってきてよかったと思うことのひとつですね。
あと、私はすごく自然が好きで、徳島の、なんでもない景色ってすごくきれいだな、と。大人になってから、自然の良さや、徳島がどれほど自然に恵まれているかに気付くことができました。毎日、意識しなくても自然に囲まれた生活ができていて、徳島でよかったと思います。
読者へメッセージ
私は、夢を追いかける過程で、県外に出るというのは、全然悪いことではないと思っています。けれど、徳島で居たい、徳島で何かやりたいとなった時に「どうせ徳島やし、徳島って何もない」と言う人も多いです。
東京にはこれがあって、徳島にはこれがない、と比較する話をよく聞きますが、世界と比べたら、東京もないものだらけだと思うんです。そのいたちごっこを繰り返すんじゃなくて、徳島に今あるものや、すごく豊かな自然、徳島で活動されている方がいらっしゃることなど、まずは今の自分の周りにあるものに目を向けることで、「どうせ徳島やし」がもっと覆されていくんじゃないかなと思います。徳島だからってあきらめず、斜に構えずにいろんなものを素直に受け取ってみてほしいです。
インタビュー動画はこちら
※この記事はフリーマガジン「AWAP 2024年号」に掲載された内容をWEB用に再構成したものです。
取材は、2023年12月2日(土)に開催された公開収録イベント
「夢語りシンポジウム」にて実施されました。
あとがき
自分の周りにあるものに目を向けることで、『どうせ徳島やし』がもっと覆されていく」という言葉が非常に印象に残っています。AWAPで掲げているテーマとリンクしていていますし、このように考える若い人が増えてほしいです。新しいもの、都会的なものを生み出すことも大切ですが、徳島にしかないものをもっと尊重したいですね。