

あなたの夢は?
私の夢は、『eureka(エウレカ)』という学生向けコミュニティスペースを通して、
徳島の高校生や大学生がもっと地域と関わる導線をつくることです。
若者が“地域に行く理由”を生み出したいと思っています。
夢をもったきっかけは?
私は千葉県松戸市出身ですが、両親が徳島出身で、おばあちゃんの家に居候しながら徳島に通っています。
鉄道が大好きで、中高では鉄道研究部の部長。
全国の鉄道を巡る中で、徳島のローカル鉄道に惹かれ、写真を撮りに来ていました。
気動車、阿佐海岸鉄道のDMV、自動改札のない駅…。
徳島の“発展途上な感じ”がたまらなくて、「この風景を残したい」「まちづくりに関わりたい」と考えるようになりました。
現在の取り組みを教えてください
『eureka』は、徳島で学生が居場所や機会を得られる場所です。
私は運営メンバーとして、県内外の若者が自然とつながる仕組みをつくろうとしています。
例えば、東京の友人を徳島に連れてきたり、徳島の高校生が東京でのオープンキャンパスに行くサポートをしたり。
そうした“交流の橋渡し”を日常的に行っています。
印象的だった出来事は?
『変化連(へんげれん)』というイベントを企画・主催しました。
阿波おどり初日に合わせて、県外から社会起業に興味のある学生100人を徳島に呼び、
ごちゃ混ぜになって阿波おどりを踊るという企画です。
参加者は、渋谷で遊ぶ都会の若者から、地方で古民家再生する学生まで多様。
徳島の学生が県外へ出た時に再会して情報交換していたり、大学進学や恋人との出会いまで生まれたことで、
イベントが持つ力を改めて実感しました。
東京と徳島の“二拠点生活”について
大学の授業は月〜水が東京、木〜日は徳島というリズム。
飛行機・新幹線・バスなどを使いながら移動しています。
正直、一番の出費は交通費ですが(笑)、それだけの価値があると感じています。
なぜ徳島で活動を?
原点は鉄道好きにあります。
特に阿佐海岸鉄道のDMV(鉄道とバスのハイブリッド車両)に惹かれ、「この路線を守りたい」という想いが強まりました。
いろんな切り口で地域に関わるうちに、“つながりをつくる”のが自分の役割だと気づきました。
今では、徳島ラーメンの販売、神山町のYouTube制作、イベント運営など、さまざまな挑戦をしています。
eurekaの運営で心がけていること
「やりたい!」という想いを持った学生には、自分から会いに行くようにしています。
「先生にダメって言われた」「顧問がいないと無理」「やめとけと言われた」そんな声をよく聞きます。
だからこそ、「それ、いいね」と肯定してあげる環境を大切にしています。
話を聞いて、次のアクションまで寄り添い、必要な人を紹介し、背中を押す。
それが自分にできる大事な役割だと思っています。
不安や苦労したことは?
苦労というほどではありませんが、やっぱりお金はかかる。
自腹での活動も多いけれど、“自分への投資”と捉えています。
学生だからこそ動けるうちに、たくさんの種をまきたいです。
徳島で頑張っていてよかったと思うこと
つながりが生まれる感覚がすごく心地よいです。
初対面でも「はじめまして感がない」経験がたくさんあります。
鉄道がきっかけで、今では県庁や海陽町と連携した仕事までできるようになりました。
取材当日の藍場浜公園イベントでも、「また来てね」と声をかけてもらえました。
自分の“好き”が地域や仕事に繋がる感覚を、徳島でたくさん味わっています。
読者へメッセージ
私は中学生の頃から鉄道が大好きで、今では地域と人をつなぐ活動をしています。
やりたいことは、口に出せば叶うこともある。
実際に、同級生がクラファンで8000万円を集めて甲子園を貸切にしました。
最初は「無理でしょ」と思っていたけど、現実になったんです。
やりたいことがあれば、まず言葉にしてみてください。
それが、第一歩になると思います。
インタビュー動画はこちら
※この記事はフリーマガジン「AWAP 2025年号」に掲載された内容をWEB用に再構成したものです。
取材は、2024年11月30日(土)に開催された公開収録イベント
「夢語りシンポジウム」にて実施されました。