2041年、ロボットのいる生活が当たり前な世界。天才ロボット学者のアレックスは、兄がいる街に10年ぶりに帰ってくる。そこで頓挫していたとある研究を再開するが…。
美しい少女エヴァをモデルに人工知能搭載の子供型ロボットを開発するというSFな設定が入り口でありながら、実は大人なドラマが展開される静かで儚いお話です。
主人公であるエヴァが銀世界に負けないくらいの色白なお肌で、真っ赤なコートがまた映える。まるで血潮のようにも見えるその“赤”は、エヴァの子供らしい生き生きとした躍動感を表しているようにも見えますが…時折見せる大人な表情も儚げでグッときます。
こんな天使の様な少女に対し、ロボット研究のために対象となる子供を探していたアレックスが車の中からエヴァを見つけて追い回すシーンは親心としては観てられませんでしたよ(笑)
即刻通報ですけどね。
それも「アメちゃんあげるからちょっと付いてきてきてーや」なんてあなた、常習犯の文句以外にないでしょうが。
それをアメちゃんだけもらってうまくあしらうエヴァちゃんが一枚上手で、おばちゃんはホッとしましたよ。
そんなちょっと危険な(?)アレックスとエヴァの交流、そしてかつての同僚であり恋人、現在は兄の妻であるフリアとの複雑な気持ちの絡み合いが思わぬ方向へ転がっていく様は、ちょっとしたサスペンスでもあります。
SFというよりは大人なドラマを楽しむ方が良いかもしれません。
でも、自立型の猫型ロボット(ドラ●もんじゃないよ)やお手伝いロボのおじじといった生活に馴染んだAIの描写はぜひ楽しんで欲しい。私は感情レベル8のおじじが好きです(詳しくは作中で)。
- ●『EVA(エヴァ)』(2011年)
- 監督キナ・マイジョ
- 出演クラウディア・ヴェガ / ダニエル・ブリュール / ルイス・オマール