1999年に起きたコロンバイン銃乱射事件をテーマにした青春群像劇。
何を隠そう、私の中でベストムービーに入るほどのお気に入り作品でございます。
B級好きな私ですが、この作品は決してB級ではございません。
映像もシャレおつ、監督も『グッド・ウィル・ハンティング』やリバー・フェニックスとキアヌ・リーブス主演の『マイ・プライベート・アイダホ』などを撮ったガス・ヴァン・サントですからね、そんじょそこら辺の映画じゃぁ太刀打ちできないくらいの出来ですよ。
当時世界中に衝撃が走ったコロンバイン銃乱射事件をテーマにしてるとあればセンセーショナルで過激な内容かと思われるかもしれませんが、そこは繊細な心理描写を得意とする監督だけあって、切り口は静かで淡々としたもの。
事件が起きるまでの学生たちの日常をリアルに描いているのですが、演じているのはオーディションで選ばれた素人の子たち。
そして台本もないとあって演技が自然というより、ドキュメンタリーを観ているようなモノですよ。
だから正直、人によっては「ナニコレつまんない!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんな我々の生活とも重なる様なリアルで平穏な日々が、後半突如として奪われる緊張感を”体感“してほしいのです。 当たり前なことほど、失ったときの悲しみ、怒り、喪失感は大きいのだと思うはず。
ちなみにコロンバイン銃乱射事件をテーマにした有名な作品と言えばもう一つマイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』がありますが、それとも比較されることが多いので、両方見比べてみてはいかがでしょうか。
- ●『エレファント』(2003年)
- 監督ガス・ヴァン・サント
- 出演ジョン・ロビンソン/アレックス・フロスト/エリック・デューレン