それぞれの事情で山小屋に滞在することになった見知らぬ男女3人。徐々に明らかになる彼らの驚きの共通点とは・・・。
一見地味だけど、味わい深すぎるSFループものをご紹介。
シーンがほぼ山小屋というワンシチュエーションや後半に出てくる荒いCGからも低予算なのがわかるのですが、丁寧な会話、魅力的な人物設定、そして謎が明らかになったときの爽快感がお見事なのです。
あまり詳しいことを書くとネタバレになってしまうので曖昧なことしか言えないのですが、安っぽい脚本だと絶対に飽きがくるような何気ない会話劇も、キャラを肉付けしていく為の重要な要素になっているし、後半謎が明らかになった時に、ただの世間話に思えた会話が繋がっていく快感が半端ないのです。
数少ない登場人物も魅力満載。
パンクで反抗的な少女ジョディは嫌味で口が悪いし、お嬢様なサマンサは頼りないし、イケメンなトムはどこか怪しいし・・・と最初はどこか受け入れられない彼らも、時間が経つとそれぞれの魅力が見えてきて心捉えられます。彼らが笑い合うシーンなんか、もう胸にグッとくるよね。
数々のループものを観てきた人でも絶対満足できる内容だし、決して小難しいギミックがあるわけではないので初心者にもおすすめです。
ちなみにトムを演じているのは名優クリンスト・イーストウッドの息子さんです。道理でね。目元が超セクシーなわけです。
- ●『トランス・ワールド』(2011年)
- 監督ジャック・ヘラー
- 出演キャサリン・ウォーターストーン/スコット・イーストウッド/ショーン・サイポス