ご機嫌いかがですか。ミスミアヤカです。
連載2回目の今回は、「遊園地」をテーマにした短歌を3首と、コラムをお届けします。
ゆったりとした気持ちで、好きなお菓子やお茶などと共にお楽しみください。
観覧車わたしを乗せて藍色の空に届けて街は遠いね
午後3時おやつの時間に風船を買ってアイスをねだった小3
園内を一周しようカタコトと揺れる列車で昨日を忘れて
あなたは、はじめて遊園地に行った時のことを覚えていますか。ゆったりと廻るカラフルな観覧車、瞳のキレイな馬が待つメリーゴーランド、日常を忘れるほどのスピードのジェットコースター…。それらを全部乗りこなそうとはしゃいだときの記憶が永遠に残っていたら良いのに、と思うことがあります。
先日、平日の昼下がりにひとりで遊園地に行ってきました。乗りたいアトラクションや目的は特になかったのですが、「遊園地に行く」という行動を突然とりたくなり、自宅で昼食をとったあとにひとりで車を走らせました。
緩やかなカーブがある車通りの少ない道を、大好きな音楽とともに走る。ひとりだからこその気持ちの穏やかさを楽しみながら、観覧車のある遊園地に向かって走ります。
有線放送が流れる遊園地を歩く。それだけでゆるやかに心がときめきます。遊園地に居るということが、大人になった私にとっての非日常感からのときめきなのかもしれません。
施設内を一通り歩いたら、ベンチから観覧車を眺めます。観覧車。ヒトを運んで、地上から離れて、山々や街並み、海を見せてくれる乗り物。なんだか不思議だと思いながら、日常のことを忘れられたひとときでした。
帰る前に、このときめいた気持ちを少しでも長いものにしたいと思ったわたしは、ひとつ300円の風船を購入します。自動販売機から真っ赤な風船が現れたとき、「もう大人なのに」という気持ちが芽生えて胸がどきんと鳴りましたが、「大人だからこそ」とすぐに思いました。大人だからこそ、自由に色んな場所に行けるし、自由にしたいことをしても良いよね、と。風船のひもが想像より長くて、空に吸い込まれるようにのびていく様子を見て、また穏やかに心が鳴るのでした。
あなたにも、ときめきたい瞬間はありますか?
あなたにも、ときめくことのできる場所がありますように。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう。