目を覚ますと謎のポットに閉じ込められていた女性。記憶を無くした状態で限られた情報と残り少ない酸素の中、脱出を試みる。
究極のワンシチュエーションという意味ではライアン・レイノルズ主演の『リミット』、見えない相手との会話で進んでいく物語はトム・ハーディ主演の『オン・ザ・ハイウェイ』を想起させる、一見地味だけど思わぬ方向に転がっていく見事な作品でした。
監督は『クロール 凶暴領域』や『ピラニア3D』といった名作を生み出してきたアレクサンドル・アジャ。
個人的に大好きな、地下駐車場で繰り広げられる最悪なクリスマスを描いた『P2』の脚本・制作にも関わっていたりと、B級界では有望な監督です。中々過激な作品ですが、密かに人気のある『P2』もいつかご紹介したいなぁと思っております。
『オキシジェン』は果たしてどんなテイストの作品なのか、それに言及するとネタバレになってしまうのでアレですが、よくあるワンシチュエーション作品とは違い、適度に情報が暴かれていくのでノンフラストレーションで観れるっていうのが良い。
残り少ない酸素と身動きの取れないポットの中という極限状態から、一転して壮大な展開を迎える後半のカタルシスも最高です。
9割型主演のメラニー・ロランの一人芝居ですが、それでもこんなに目が離せないスリラーってのは中々ありません。
Netflix配信作品ですが、お家時間のお供にぜひご覧ください!
- ●『オキシジェン』(2021年)
- 監督アレクサンドル・アジャ
- 出演メラニー・ロラン/マチュー・アマルリック/マリック・ジティ