それを飲むと5分間だけ超人的なパワーを得られるという薬が街中に蔓延するが、その薬が作られた背景にはある陰謀が隠されていた。
アメコミ作品を始め、スーパーパワーものは世界中に溢れていますが、今回ご紹介する『プロジェクト・パワー』の面白い点は”その薬を飲んでも何の力が得られるかわからない“という博打的な要素が含まれているところ。
ただ力が強くなったり超能力が使えるのではなく、例えばトカゲ人間になって皮膚が超硬くなったり、バーニングマンになって全身炎まみれになったり。飲む人間によって開花するパワーが変化するので、同じ能力者でも戦い方がそれぞれなのが面白い。
そしてもう一つの見どころはジョセフ・ゴードン=レヴィットの枯れオヤジ感。
彼は『500日のサマー』のように元々そこら辺にいそうな青年を演じるのがとても上手いと思うのですが、その頃から十数年経って「そこら辺にいそうな普通のオヤジ」が似合う良い俳優さんになったなぁと思いましたね。
超人的パワーを持った人間が溢れていても、彼がいることでグッと現実味が増すのです。
お気軽なスーパーパワーものと思わせといて背景にはドラッグや人種問題も孕んでいるのですが、決して重くならない演出でエンタメとして楽しめる作品です。
アクションも爽快なシーン満載なので、ぜひご覧ください!
- ●『プロジェクト・パワー』(2020年)
- 監督アリエル・シュルマン
- 出演ジェイミー・フォックス/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ドミニク・フィッシュバック