連載概要
劇団まんまる女優、フリーアナウンサー、司会、声優講師など様々な活動を行っている清水宏香さんによる連載。現場で活躍する女優ならではの情報や観劇レポートなど、『演劇』に関する情報を発信してくれます。
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【vol.5】ローリング ローリング
劇団まんまるは今年2022年で8年目。
現在14名の劇団員が所属しています。
最初は8人から始まった劇団、その後爆発的に人数が増えたり、また潮が引くように減ったりもし、現在に落ち着いています。
って書くとなんかヤバい劇団みたいですが(笑)
初期から見てきた私が思うに、劇団員が変動しまくっているのは、座長丸山の書く・好む作品のテイストが様々だからなのではないでしょうか。
旗揚げ公演は丸山はじめ3人の作家の脚本をオムニバスで上演したのですが、上演した10作品ほとんどが短いコント!
中にはエグ目の下ネタまでありましたが、丸山のお母さんも泣くほど爆笑していたのでウケる人には大ウケでした。
その一方で実は「寅さん」が好きな丸山、人間の内側に迫ろうとする作品を書き出します。
どうしようもない悩みを抱えた主人公、
どうしようもない世の中。
そんな世界で、何かを大きく変えるでも活躍するでもなく、でも歯を食いしばって生きるありのままを描き、そのひたむきさに共感を覚える人も多数いました。
その後、丸山は戯曲講座で本格的に脚本の書き方を学びます。
講師は名古屋で活動している劇団オイスターズ平塚直隆さん。
シュールかつクレバーな笑いを得意とする作風は丸山にヒット!
その後、師匠に習いつつ丸山らしい言葉遊びをふんだんに用いた作品を生み出していきます。
何度も上演した「なにもかけてない」は、初演時は誰もクスリとも笑わなかったのに、その後ブラッシュアップを重ね、四国劇王で2位まで上り詰めるほどの秀作となりました。
とまあ、わずか8年でこんなに作風が変わる劇団もそうないんじゃないでしょうか。
既成作品をメンバーに合わせて選んでいるならいざ知らず、全部自作ですからね。
さながら作画が安定しない漫画家みたいです。
ですが、この柔軟さが丸山の、そして劇団まんまるの良さでもあると思うのです。
食わず嫌いをせず、演劇とはこうだ!という妙な固定概念を持たず、その時々にいいと思った物を貪欲に吸収していくスタイルから生まれる作品の魅力というのは、きっとある。
私は先の予想がつかない演劇が好きです。
ハッとする瞬間が好きです。
劇団まんまるは今後どんな風にコロコロ転がっていくのでしょうか。
まんまるの行く末にこうご期待です!
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