冷戦時代のソ連で打ち上げられた宇宙船スプートニク号は謎の事故に巻き込まれ、唯一生き残ったコンスタンチンはとある施設に閉じ込められる。
彼を診察することになったタチアナは、衝撃の事実を目にすることになる。
今回ご紹介するのはロシア産SFホラー。
もっとB級な軽めのSFかと思って見始めたら、至って大真面目な重苦しい空気に包まれた良作だったので、「やるやん、ロシア」と思った作品です。
派手なアクションシーンはないけれど、クリーチャー造形と人が喰われる表現の素晴らしさよ。
個人的には人間とクリーチャーのいけない関係を描いた映画『スプライス』に出てくるクリーチャーに近くて、一見愛らしいんだけどよく見ると気持ち悪さが込み上げてくる絶妙なデザインなのです。
そんなクリーチャーが帰還した乗組員の体内から這い出てくるシーンなんかゾクゾクしますよ。
そして一番の見どころは乗組員や未知なる生物と対峙することになる博士タチアナ、彼女と対立することになるヤン、ボスであるセミラドフ大佐との人間ドラマ。
彼らの関係性が微妙に変化していくプロットがもう素晴らしくて、
SFの枠を超えてヒューマンドラマとしても楽しめる作品になっています。
ちなみに、日本版のポスターがとてつもないB級色で、逆に観客逃してんじゃないのって思うくらいなので暇な人は見てほしい。
『エイリアン』や『遊星からの物体X』が好きな人は必見の一作です。ぜひ。
- ●スプートニク(2020)
- 監督エゴール・アブラメンコ
- 出演オクサナ・アキンシナ/ピョートル・フョードロフ/フョードル・ボンダルチュク