2023年4月29日

【vol.18】ヲタク~君演じやむことなかれ~ その2/清水宏香

連載概要

劇団まんまる女優、フリーアナウンサー、司会、声優講師など様々な活動を行っている清水宏香さんによる連載。現場で活躍する女優ならではの情報や観劇レポートなど、『演劇』に関する情報を発信してくれます。

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【vol.18】ヲタク~君演じやむことなかれ~ その2

アニメヲタク女子だった清水が、演劇ヲタク女子になり、そしてやがて人生の半分を演劇沼に漬け
ることになるお話
後編です。

たまたま手にした徳島市民劇場のチラシより、ボッチ入会を果たした私。

ここで初めてプロの演劇を鑑賞するのですが、中でも私の心を揺さぶったのが、

1998年5月の例会、劇団青年座による「MOTHER~君わらひたまふことなかれ~」でした。

近代日本を代表する歌人与謝野晶子と夫鉄幹が、当時の若き文学者、社会活動家と時代の流れの中で懸命に生きる姿が描かれたマキノノゾミ氏の傑作です。

与謝野晶子の芯の強さ、肝っ玉女房ぶり、夫鉄幹との間の一言では言い表せない愛情、文壇の青年達との群像劇。ラストシーンでジュテ〜ムと言いあいながら暗転していくも、豪放磊落な大杉栄がムードをぶち壊して睨む布団の中の夫婦、大爆笑!大いに笑って大いに泣いた初めての演劇体験でした。

この時私は17歳。高校演劇をはじめて1年と少し経っており、この頃には役者だけでなく自分で脚本書いたり演出もするようになっていました。

自転車をもりもり漕いで帰りながら、「いつかきっと、こんな素晴しい演劇をつくるんだ!凄い女優になるんだ!」と燃えたのを今でも鮮やかに覚えています。

さて、時は流れ。

2021年の12月に、徳島市民劇場にマクベスが来るよと誘われて、うん十年ぶりに再入会を果たします。

ところでこの市民劇場という組織は、会員で成り立っています。

観劇するだけでなく、運営サークル当番が観劇チケットとなる座席シールを作ったり、公演の宣伝や感想が載った会報誌を作ったり、公演当日会場で受付や駐車場整理をしたり・・・劇団をお迎えする為のありとあらゆる準備をするんです。高校生の時はボッチ会員だったので全然知りませんでした・・・。

もういい大人で、ボッチではなくサークルに入れてもらった私に、運営サークルの当番が入会直後にやってきました。

2022年徳島市民劇場1月例会、劇団青年座「横濱短編ホテル」。

そう、私の運命の作品を産んだあの青年座です!

※タップすると拡大表示できます

私は仕事の経験から、会報誌の為の劇団インタビューをさせて貰うことになりました。お話を伺ったのは柳井フミヨ役で出演の津田真澄さん制作の森正敏さん

インタビュー中に、凄い事が分かりました。

何と、インタビューさせて頂いた津田さんは、あの

「MOTHER~君わらひたまふことなかれ~」の与謝野晶子役を演じていた女優さんだったのです!

私はここにも書いた通り、高校演劇に打ち込む女優志望の高校生でした。

1月例会の作品「横濱短編ホテル」は、奥山ハルコと柳井フミヨという同じ高校の演劇部員を主軸に、様々な人との出会いと別れが繰り返し紡がれる物語です。

私が自分の姿を重ねたのは、言うまでもありません。

人生はどの章を開いてもドラマが詰まっている、そこで会った人との縁はもしかしたら今後も不思議に繋がっていくかも知れない。

そう、高校生だった私が憧れ見つめた女優さんに、演劇人としてお話を伺う事ができるなんて。当時の私が知ったら驚くでしょうね。

徳島にいながらプロの演劇を鑑賞出来る、一生涯の宝の様な出会いだってある。

私よりはるかに年配の会員さんも多い市民劇場ですが、皆さんそれぞれ、私の様な忘れられない作品との出会いがあり、その思い出は数十年経っても色褪せず記憶の中で輝いているんです。

あなたもそんな体験をしてみませんか。友達がいると安心だけど、ボッチでも怖くない。

ちなみに、今年度より25歳以下の学生料金がめっちゃ安くなり、何と会費500円/月になりました!これは高校生の私が悔しがるので教えられへん!

徳島市民劇場5月例会のご案内です!

素劇 楢山節考/劇団1980

※タップすると拡大表示できます
素劇 楢山節考/劇団1980
  • 日時 5月9日(火) あわぎんホール 18:30開演
  • 会費 月額一般2,500円/学生(25歳以下)500円
  • (入会金:一般2,500円/学生1,000円)
  • お問い合わせ先
  • 電話 (088)653-1752
  • FAX (088)653-1755
  • Email tsg1960@beach.ocn.ne.jp
  • 入会は徳島市民劇場の事務所または劇団まんまるまでお問い合わせください

ちなみに、もうひとつ私を大きく揺さぶった作品が、笑殺軍団リリパットアーミーの公演「ベイビーさん〜あるいは笑う曲馬団について〜」

これまた時を経て、ワークショップにてわかぎゑふさんに教わったり一緒に飲んだりするのですが、これはまた別のお話。

劇団まんまる
  • 記事を書いた人
    清水宏香
徳島県出身・在住。劇団まんまる女優、フリーアナウンサー、司会、声優講師など様々な活動を行っている。AWAPでは、現場で活躍する女優ならではの情報や観劇レポートなど、『演劇』に関する情報を発信。

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