交通事故で恋人を亡くし、自身も車椅子生活を送ることになったジェサベルは距離を置いていた父親の元に帰ることに。ある日亡き母が映ったビデオテープを発見し再生するが、その日からジェサベルを奇妙なことが襲い始める。
「ソウ」×「パラノーマル・アクティビティー」×「インシディアス」のスタッフが手掛けたホラーということで「最恐」を謳った今作。
個人的に恐怖というよりは悲哀溢れるクラシックなドラマ性に魅せられました。
母親が自分に残したビデオテープに映っていたもの。
それは18歳になったことを祝い得意のタロットカードで運勢を占うという内容だったんですが、その発想がすでに怖い。純粋に「おめでとう」の一言でええやん、と突っ込みながらも、案の定「死」を連想させるものばかりが出て不穏な空気になる。
それをわざわビデオテープに残してるって。
段々とやばい母親にしか見えなくなってくる展開が一番のホラーなんですが、主人公と幼馴染であるプレストンが登場する辺りからストーリーは不倫ものへと転じます。
泥沼と化していく人間模様。
2人の絶妙な距離感がホラー味を増す展開に比例して心ウズウズさせるんです!
ドラマ性高すぎて、どんなホラーシーンあったかちょっと忘れちゃったくらい。
おばけ怖いというよりは人間怖いに寄った作品で、無意味に血が吹き出すようなシーンもないのでホラー初心者さんにおすすめです。
最後の余韻も味わってほしい。ぜひ。
- ●『ジェサベル』(2014年)
- 監督ケヴィン・グルタート
- 出演セーラ・スヌーク / マーク・ウェバー / デヴィッド・アンドリュース