2025年9月4日

【わたしの夢】香川 紘輝さん「エンタメで明日からの日常をおもしろく」

あなたの夢は?

僕の夢は、エンタメを通して明日からの日常を面白くしたい、ということです。エンタメというと、テーマパークとかがわかりやすいと思うんですけど、テーマパークって、僕の中ではエンタメではないんですよ。僕の中では、人々をワクワクさせるというところで終わらず、明日の生きる力を与えるまでがエンタメだなと思っているんです。
テーマパークって、そこにいる時はめちゃくちゃ楽しいけど、帰る時は寂しいじゃないですか。それがなぜかというと、あの空間は日常じゃなくて、夢の世界だからなんです。でも僕的には、今生きているこの日常が面白いって思えるような社会で生きたいなって。そんな世界を作ることが僕の夢です。

夢をもったきっかけは?

僕は鳴門教育大学の大学院に所属していて、元々教員志望で大学に行っていたんですけど、大学一年の時に、やっぱり教員じゃないな…と。かといって教員以外の夢や、やりたいことはわからなかったけど、生き様がかっこいい人になりたいとは思っていました。何歳になっても自分が楽しむだけじゃなく周りも笑わせて楽しませてってできる人ってめちゃくちゃかっこよくないですか?そんな人になりたくて。
僕の周りでも、文化祭を乗っ取ったり、自分たちなりに面白いことをしている人たちがいたんですよ。でも、そういう人たちが就職活動とか社会に出ていくとなると、やっぱり結構しんどそうで、まあ当たり前かもしれませんが。でも、それってすごくもったいないというか、そういう状況を変えていきたいなって。今の社会を生きていること自体が面白いと感じる人をもっと増やすことができればいいんじゃないかな…って思ったのが、この夢をもったきっかけですね。

夢を叶えるためにどんなことをしている?

大きく3つあって、一つ目が、エンタメ×街づくり・地方創生の取り組みです。
僕の周りも、県外に就職するとか、県外に出て行きたい、つまり、「どうせ徳島だから…」という感じの人がめちゃくちゃ多くて。その原因って、徳島に何もないからではなくて、徳島のことを知らないからなんじゃないかなって。
若者に徳島を知ってもらうために一番手っ取り早い方法は、街づくりに関わってもらうこと。でも「街づくりしようよ」ではなく「おもしろいことしようよ」で巻き込んでいくことが大切だと思っています。
2つ目は、大学生のプラットフォーム。国内外で3000を超える学生団体と連携していて、大人と一緒に仕事をしたり、大学生同士でコラボをしたり、というのをしています。
そして3つ目が、メタバース(仮想空間)の開発。ゲームを使って、仮想空間の中で、地域の観光や、不登校の子どもたちに向けたスクール、あとは街づくりの現場とメタバースを取りまとめるプラットフォームを東京のメタバース会社さんと一緒に作っています。

不安や苦労したことは?

不安はないけど、苦労したことはめちゃくちゃあります。
やっぱり新しいことをやろうとすると、なかなか周囲に理解されなくて協力を得たり取り組みの実施自体に難航することはありますね。
例えば、ある県で廃病院を活用した地域の観光や歴史を学べるお化け屋敷の計画があるんですけど、子どもたちが、地域の歴史を学ぶのって座学が多いですよね。それだとあまり記憶に定着しにくいので、「地域の歴史と地域の呪いを解け!」みたいな形で、謎解き風のお化け屋敷を作って、それを通して体験してもらおう、と。
これをその廃病院の管理元に提案した時、反対意見が多くて。その理由は、「とても良い活動ではあるけど、その病院で亡くなった方に不謹慎だ」ということでした。その理由も気持ちもすごくわかるんです。でも、その廃病院は、今使われてなくてもったいないけど、取り壊すにはお金がかかる。だから、地域の子どもたちや観光のためになるようなことをしようという意図だったんですけど、なかなか難航しています。
そこをどう紐解いていくか、地域のキーパーソンの人から攻めたり、よりわかりやすいように提案したり、試行錯誤しながら自分のやりたいことに乗せていくことが大事だと思います。

徳島で頑張っていてよかったと思うこと

結構あります。僕も大阪で起業したり、外を見てきたからこそ思うんですけど、やっぱり一番は目立ちやすいということですね。大学三年の時に徳島に帰ってきて、徳島でも事業を始めたんですけど、学生起業家って言うと、だいたい「おお…!」ってなるんですよ。なので、 例えば「若者紹介してよ」ってなった時に紹介してもらいやすくて、そこは大きいかなと思います。
あと、僕らは街づくりをする時に、行政や自治体と連携することに重きをおいてるんですけど、徳島はそういったところへの関わりやすさがあります。企業の社長さんや自治体の方々、皆の距離が近くて、フラットに関わってくれるので、とてもやりやすいなと思っています。

読者へメッセージ

僕もまだまだ初心者というか、会社も立ち上げたばかりで、ここからなので、成功って全くしていないです。グッダイのお二人がインタビューで、「夢じゃなくて予定だ」って言っていたのがめちゃくちゃいいなと思いました。
僕は、大学1年の時からアイデアはいろいろあって、やりたいなーとは思っていたんですけど、アイデアだけあっても行動しなかったら全く何もなかったので、とりあえずやってみるということは、とても必要だなと思っています。
徳島なら力を貸してくれる人はいっぱいいますし、今回(夢語りシンポジウム)のような場所に足を運べば、だいたい誰かと繋がって、何かやろうよってなれるし、きっかけは何でもいいと思うんです。始めるハードルはそんなに高くないと思っているので、楽しい感じでやっていけたらいいなと思っています。なので、一緒に頑張りましょう!

インタビュー動画はこちら

※この記事はフリーマガジン「AWAP 2024年号」に掲載された内容をWEB用に再構成したものです。
取材は、2023年11月18日(土)に開催された公開収録イベント
夢語りシンポジウム」にて実施されました。

あとがき

行っている活動を、とても楽しそうにお話してくださる姿が印象的でした。行動力があるだけでなく、周りを引っ張っていくリーダーシップや、行動を起こすまでの計画力なども、このインタビューから感じることができました。

  • 記事を書いた人
    【ASC1期生】なな
AWAPの運営する学生コミュニティ『AWAP学生クリエイターズ』メンバー。AWAP編集部と共にフリーマガジン制作やイベントなどの活動を行っている。

この記事へのコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

HOME > AWAPコンテンツ > 【わたしの夢】香川 紘輝さん「エンタメで明日からの日常をおもしろく」