

母親を事故で亡くしたショックから立ち直れずにいる女子高生のキャシーはある日道端でスマホを拾う。そこには「AMI(エイミー)」という人工知能アプリが入っていて、母親そっくりの声で設定したAMIの指示に従う内に彼女の行動が暴走していく。
人工知能に操られるという設定からSF的展開を期待する方も多いかもしれないけれど、どちらかというとAIは元々精神不安定なキャシーのタガが外れるきっかけにしか過ぎず、サイコホラー的要素の強い作品です。
何よりキャシーは母親を亡くしたショックから精神のバランスを崩しつつも、ただのお金持ちのお嬢様。なんだけど、彼女を取り巻く友人や彼氏(とも言えない微妙な関係)がクズすぎて、全く彼女に非がないのが今作をより悲劇的にしています。
友人の裏切り、彼氏の愛の薄さ、父親との微妙な距離感、AIMがなくてもいつ爆発してもおかしくない状況は昼メロ好きにはおいしいかも。
そんなクズな関係をAIMによって斬りまくっていく姿は爽快なんだけど、今作の一番の見どころはラスト。
個人的に『悪魔のいけにえ』に匹敵する「こんな食卓はイヤだ!」でしたね。
人間ドラマに寄ったSFモノがお好きな方は楽しめるかも。ぜひ。
- ●『デス・アシスタント 殺・人工知能』(2019年)
- 監督ラスティー・ニクソン
- 出演デブス・ハワード / フィリップ・グレンジャー / サム・ロバート・ムイク