売れない画家としてニューヨークに暮らすレノは、日々鬱憤を溜める中、階下にバンドマンが越してきたことを機に狂気を加速させていく。
そしてついにブチギレた彼はドリルを片手に街中を駆け回るようになる。
こちら、70年代のインディペンデント作品なのですが、厨二病精神をお持ちの方にはブッ刺さること間違いなし!
荒い画質で描かれる、昼夜問わずロックを奏でるバンドと踊り狂う女たち、悶々と筆を進める売れない画家、彼と生活を共にする荒んだ女たち・・・
もうほら、心くすぐられてるでしょ!?
ドリラーキラーというタイトルに負けない無双っぷりをレノは見せてくれるんだけど、正直そこは味付け程度でしかなく、この作品は令和の今だからこそもったりとお腹にくるような、時代を愛でる作品なのですよ。
浮浪者で溢れる街並みや音楽や芸術といったカルチャーで時代を切り開こうとする若者たちといった、70年代の鬱屈した時代が見事に切り取られていて、まるで『映像の世紀シリーズ』観てる気分でね、なんか崇高な気持ちにもなれるようなね。実際内容はそうでもないんだけどね。
ドリルで人をキルしまくるホラーではあるんだけど、ファッションやインテリアがバチくそにおしゃれだから、センス感度高めな人も観て損はなしですよ!ぜひ!
- ●『ドリラー キラー』(1979年)
- 監督アベル・フェラーラ
- 出演アベル・フェラーラ / キャロリン・マーズ / リチャード・ホワース


