突如ある者に襲われ、オフィスに監禁された男女6人。
彼らは死んだはずの連続殺人犯から無実を証明する業務を与えられる。
「世界一過酷な業務が始まる」というキャッチコピーに惹かれる今作は一癖ありのソリッドシチュエーションスリラーもの。
この手の”目覚めたら謎の空間でした“系の作品って、
徐々に人間関係が明らかになりながら、物語が進むにつれて点と点が繋がっていくカタルシスがケレン味だったりするんですよね。
でも、今作は初っ端から彼らは殺人犯と何かしらの形で関わっていていることがわかる。
その上でただただ殺人犯に言われた通りの業務をこなす時間はちょっとたいくつだったりするけど、
「5回ミスしたら人生終わり」というリミットが設けられているからいつ脱落者が出るのかワクワクどきど・・・いや、ハラハラする。
ミスするごとに額にナイフで線を入れられるから、
視覚的にも「こいつあと一手だな」とわかる親切設計。
彼らの上司となる殺人犯のギョロッとした目つき、明らからに犯人である証言や証拠がありながら「俺はやっていない」と彼らに無実を証明させようとするサイコぶり、
それでいて物語が進むにつれてなんとなく哀れみを漂わせる枯れオジ風体・・・
殺人犯を演じたニコラス・ホープの魅力も特筆したい。
ちなみに主人公であるケリー・パターニティは初っ端でポロリするのに、
それ以降まったくポロリしないし、なんならそのポロリ全くいらんかったなと今になって思い出す次第です。
かわいいようなかわいくないような、庶民的な雰囲気もまた好感持ててイイね。
低予算ではありながら、特殊メイクはスプラッター界の巨匠トム・サヴィーニが担当しているので見応えありです。
ストーリーのこだわりもすごくて、後半からの展開は胸熱。
ラストの妙な爽快感もぜひ味わって欲しい。
- ●ヘッドハント(2012)
- 監督ダニエル・クリーグ
- 出演 ニコラス・ホープ/ケリー・パターニティ/サム・リード