連載概要
劇団まんまる女優、フリーアナウンサー、司会、声優講師など様々な活動を行っている清水宏香さんによる連載。現場で活躍する女優ならではの情報や観劇レポートなど、『演劇』に関する情報を発信してくれます。
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【vol.26】準備万端で心浮く5月
梅雨でこの頃毎日雨模様ですね。
洗濯物が干せないので部屋干し用のピンチハンガーを買おうと思っています。いや、いっそQOL爆上がりという洗濯乾燥機を買いたいです。
清水です。
さて、去る6月15日(土)16日(日)、吉野川市鴨島町の倉庫・蔵運²で開催した演劇ラボ・アンクラウン『極彩色の魔法』にご来場いただいた皆様、ありがとうございました!
劇団まんまるからは私清水と海月理奈ちゃんが出演させていただきました。
くらちゃんはドロシーと冒険する臆病なライオン役、私はドロシーを導く北の魔女でした。
うん、最初から分かってた、魔女だって。
ちなみに上の写真は当日ブロマイドとして販売されました、私たちの分は完売したようでホッとしております。
え?私のは元から枚数少なかったのかも?泣いちゃう!
梅雨時期ですので当日のお天気を直前まで気にしておりましたが、雨予報を覆し、快晴とまではいかずとも晴れ間ものぞく好天に恵まれました!
自他ともに認める雨女の私ですが、今回は本当にホッとしました!
さて、『極彩色の魔法』は、オズの魔法使いが原作です。
カンザス地方から竜巻に飛ばされマンチキンという不思議な場所に降り立った女の子・ドロシーと飼い犬のトト、願いを叶えてもらいたい3人の仲間と共に魔女の導きに従って偉大なる魔法使いオズに会いに行くという超有名な物語です。
ドロシーの願いは、おじさんとおばさんの待つカンザスに帰る事。
1939年に公開され大人気となった映画「オズの魔法使い」では、モノクロの田舎の農場でドロシーが「虹のかなたにもっと素敵な場所がある」と歌うシーンがあまりにも有名です。
飛ばされた世界はカラフルで、苦楽を共にした愉快な仲間も出来たし、本当ならずっといて帰りたくなくない?と子供心にずっと思ってました。
それでも、ドロシーは一途に「お家に帰りたい」というのです。
「劇場のない吉野川市で、舞台公演を成功させたい」と銘打ち、今回の公演を立ち上げた主宰の伊井ひとみさん。東京からUターン移住で徳島に帰って来たという事ですので、確かに劇場の少なさ、演劇鑑賞の機会の少なさに落胆した事と思います。
しかしながら今回、我々徳島に住む人間がよく言いがちな「徳島には何もない」をはねのけ、自らのアイデアでクリエイトし、多くの方に演劇を体験してもらいました。
オズのいるエメラルドの都は、特殊な眼鏡を付けないとまばゆくていけないという設定でした。
観劇終えて、劇場となった倉庫を出た時、観客の皆さんの目に飛び込んできたのは、鴨島町の緑輝く山や畑だったのではないでしょうか。
眼鏡なんてつけていなくても、いつでも私たちの周りには、美しい場所がある。さぞやドロシーもうらやむことでしょう。
伊井さん自身が「お家(地元)に帰りたい」と歌ったドロシーなのかどうかは、聞いていないので分かりませんが、何となくそんな事を想像して重ねたのでした。
とまあ、そんな考察は置いておき。
私はあえて今回、小さいお子さんを持つお母さんたちにも観に来てと声をかけました。
中でも、同い年の親友の娘ちゃんは小学1年生、私たちが舞台を降りて客出しに向かうと、一目散に走って来て抱きついてくれました。
彼女の中でこの演劇が素敵な夢として残り続けると思うと、心の底からやってよかったなあと感じたのでした。
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