2022年7月30日

【vol.12】魚の命、きみの目には花

連載概要

詩人・歌人を志し、文芸創作活動をしているミスミアヤカさんによる連載。自分自身の短歌や詩の作品を、徳島のあらゆるスポットの風景とともに楽しんでもらえるような記事を綴ってくれます。

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【vol.12】金魚の命、きみの目には花

ご機嫌いかがですか。
ミスミアヤカです。
朝、目が覚めると蝉が既に鳴いていて、夏真っ盛りの日々が続きます。
今回のテーマは「お祭り」。
あのなんとも言えない賑やかさをふっと浮かべながら、お楽しみください。

金魚の目見つめて話を聞いていた夏の匂いを含んだ水槽

焼きそばをパックに山盛り詰めて笑う隣の席のあの子の父親

遠方の花火を背にして僕たちは海へ向かった手はまだ触れない

「宵夏」

金魚の寿命は何年だろう
掬われて救われるのか
それぞれの命に聞いてみないと分からないよね

きみの指に花火の模様が描かれている
丁寧に描かれている
「あなたは人混みが苦手だから」ときみが微笑む
真っ白な天井
ぬるい紅茶
開封されるのを待っている浴衣
テレビでは夏祭りの様子が報道されている
金魚はすき
花火の絵も好き
きみのこともすき
ヒトが流れていく様子は

わたしたちの寿命は何年だろう
ぬるい空気
夏の昼
きみの薬指に触れた日

  • 記事を書いた人
    ミスミアヤカ
【AWAP公式ブロガー】徳島県在住。詩人・歌人を志し、文芸創作活動中。高校生の時から現在に至るまで、小説や詩、短歌の作品を作り続けている。

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