2022年7月7日

【vol.11】陽の光は白、きみはナデシコ/ミスミアヤカ

連載概要

詩人・歌人を志し、文芸創作活動をしているミスミアヤカさんによる連載。自分自身の短歌や詩の作品を、徳島のあらゆるスポットの風景とともに楽しんでもらえるような記事を綴ってくれます。

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【vol.11】陽の光は白、きみはナデシコ

こんにちは。ミスミアヤカです。
唐突に訪れた夏に戸惑いながらも、心はなるべく穏やかでいられたら、と自分に言い聞かせる毎日です。
今回のテーマは「花言葉」。
あなたが誰かに花を贈るとしたら、どんな想いを込めますか。

図書館のPC検索履歴には「百合 花言葉」とたったひとこと

僕だけが知っていたいの中庭のガーベラあなたが植えていたこと

少年の手には真っ赤なアネモネと下手くそな字の「すきです」のメモ

「撫子」

花に言葉をつけるなんて誰が考えたのだろう
色ごとにも意味が変わることは最近知った
鈍感な人
あなたは鈍感な人
花言葉にだけは敏感な人
小さな花屋であなたを見つけた
声はかけなかった
あなたが見ていたのがナデシコの花だったから

まっすぐに生きてきたのだろう
あなたの目はそんなふうに見える
まっすぐな愛に生きるのだろう
僕の視線とは交わらずに
細い花びらに触れるときにあなたの唇も微かに動いて僕は思わず目を逸らした
鈍感な人
あなたは鈍感な人
花言葉にだけは敏感な人
僕が泣くのをあなたは知らない

  • 記事を書いた人
    ミスミアヤカ
【AWAP公式ブロガー】徳島県在住。詩人・歌人を志し、文芸創作活動中。高校生の時から現在に至るまで、小説や詩、短歌の作品を作り続けている。

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