2022年11月30日

【vol.15】作品集『ショートレター』について/ミスミアヤカ

連載概要

詩人・歌人を志し、文芸創作活動をしているミスミアヤカさんによる連載。自分自身の短歌や詩の作品を、徳島のあらゆるスポットの風景とともに楽しんでもらえるような記事を綴ってくれます。

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【vol.15】作品集『ショートレター』について

ご無沙汰しております。
ミスミアヤカです。
秋が一瞬で終わりそうで、なんだか寂しい気持ちになってしまう今日この頃です。
そんななか、近頃は徳島で活動している面白い方々との出会いが多い毎日でもあります。

さて、今回はいつもとは少し雰囲気を変えて、私が先日作りました作品集『ショートレター』についてご紹介させてください。

『ショートレター』は元々、今年の秋に開催した、川内町にあります「酒ハウスモリモト」様でのイベントに向けて作ったものです。
私がふだん大切にしている「瞬間の感情の切り取り」を歌や詩という形に変換したいという気持ち、狙いを1冊に凝縮したく仕上げました。

『ショートレター』というタイトルをつけた理由は、制限のある環境でどれだけ自分の気持ちを表せられるかと考えた経験をもとにしています。

とある大切な人にメッセージを贈る機会があり、どんな言葉なら上手く気持ちが伝わるだろうと頭を悩ませたことがあります。素直に言えばいいのに伝えられない、でも伝えたい、というもどかしく思うあの時間のことはずっと記憶に残っています。今回の作品集には、ひとりでも私が大切にしている気持ちが伝わればという願いを込めて作りましたので、そのタイトルにした次第です。

最後に、『ショートレター』に掲載している作品の一部をご紹介します。
もし少しでも気になったなら、実際に手に取っていただけると幸いです。

それでは、また。

終わらせて青い春など終わらせて特急列車に乗るからもうすぐ

夕暮れは自然と僕らを近くする氷が溶ける音を合図に

「鳥になれた日」

なんでもない水曜日の昼に
鳥になる妄想をする
雲を食べ
蝶と恋をして
海を愛で
きみを忘れる

ヒトを愛することはヒトの本能だと
いつしか本で読んだことがある
その時はばからしいと一瞥したが
その通りかもしれないと気づいた時には遅かった

少女と名乗れなくなっても
まっすぐに誰かを好きになってもいいですか
きみを忘れたころに鳥にでもなり
世界のすべてを知ったつもりになった後
わたしはもう一度ヒトとして
ヒトを愛そうと思う そう思う

きみからの最後の手紙は川に沈めた
海よりは浅い場所で沈めた
流れて 流れて
とおいどこかに辿り着きますように

群れをなす鳥たちの端っこの小鳥が遅れて彼らを追いかけた後に
だんだん離れて自分の意思で行き先を決める様を見た
わたしを見ているようだった

水曜日の昼
なんでもない日のひとりごとです

  • 記事を書いた人
    ミスミアヤカ
【AWAP公式ブロガー】徳島県在住。詩人・歌人を志し、文芸創作活動中。高校生の時から現在に至るまで、小説や詩、短歌の作品を作り続けている。

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