ある日目を覚ますと人々が暴徒化し、マンション内は阿鼻叫喚と化していた。
ウィルスに感染した人間は次々人を襲い、それがどんどん拡大していく中で、一人部屋に生き残ったエイデンは向かいの部屋に同じく生存者がいるのを見つける。
以前ご紹介した韓国映画『#生きている』はみなさまご覧いただきましたでしょうか。
そちらと酷似したゾンビ作品がこの『クレイジーズ 42日後』。
何も知らずに鑑賞したのですが、結構な初っ端から「あれ、これ前観たような・・・?」ととてつもない既視感に襲われました。
それもそのはず、同じ脚本をベースに制作されているからなのです。
「ん?それってリメイク?」と思いきや、双方は同時期に製作され、今作を韓国に合わせて脚色したのが『#生きている』なんだって。
でも先に公開されたのは『#生きている』という、なんやややこしいことになっていますが、どうやら大人の事情なのか詳細は説明されず。
たぶん何も知らずに観た人は「パクリじゃん!」って絶対思うはず。
私もそう思った。
でも結末やテーマ性にお国柄の違いみたいなものが出てて、その違いを見るのが面白かった。
韓国版は人物描写が丁寧にされ、ゾンビの動きやグロさも中々。
ドローンやSNSといった現代のアイテムを駆使している点も新鮮味がありましたね。
対してアメリカ版は主人公目線のみで描かれている故か、ヒロインや終盤に出てくる人物の影がうっすいうっすい。
そして原題が『ALONE』という点からも憶測できるように、ゾンビからというよりもいかに独りから逃れられるかっていうのをテーマにしていたように思います。
だから、なんかチープな恋愛ものという風に見えなくもない。
でも、アクションはさすがアメリカって感じで見応えありでしたよ。
元々の脚本はきっとおもいしろはずで、それをどの視点から描くかでこうも雰囲気変わるかねって思い知らされる2作品。
ぜひお時間ある方は見比べてみて欲しいなと思います。
あくまで時間があればですが。ぜひ。
- ●クレイジーズ 42日後(2020)
- 監督チャールズ・バーカー
- 出演タイラー・ポージー/ドナルド・サザーランド/ロバート・リチャード