殺人鬼ジェイソンが特殊部隊によってバラバラに爆破され平穏が訪れたかと思ったのも束の間、動き出したジェイソンの心臓は次々人に乗り移り、殺戮を繰り返しながら家族の元へと向かうのだった・・・
シリーズ9作目となる13日の金曜日ジェイソンの命日。
実は私、1作目しか観たことがないんです。
それでも今作を観たのは、最近知り合った人から「9作目おもしろいよ」と教えてもらったからです。
いい感じにB級そうだからネタになりそうだ!と早速観たのですが。
B級の中のB級で素晴らしかったです。
お色気シーンの背後で流れるおどろおどろしいBGMに殺人鬼の視点で迫るカメラワーク、
浴びるように放出される血潮、森に響く叫び声・・・・
今や誰も手を出さないお決まりのホラー演出が逆に新鮮で、
観てて嬉しくなっちゃいます。
特筆すべきはジェイソンの心臓が『エイリアン』第1作目に出てくる赤ちゃんエイリアンの若くモンスターと化して、トタトターと人体から抜け出すシーン。
その様がかわいいのと同時に、「抜け殻」と化した人体が溶け出すVFXはお見事。
シリーズを通して観てなくてもついていけるレベルの設定
(「この家族、ジェイソンの血筋なんだな」とか「前作でこの夫婦色々あったんだな」とか会話で理解できるので全然OK)
なので、私のようにシリーズ初心者でも大丈夫なのも嬉しいね。
MCUシリーズと違って「あれ、この登場人物って前も絡んでたっけ?」とか考えなくてもいいから頭に優しい。
心臓だけとなったジェイソンが人に憑依するっていうのは今思えば荒唐無稽な設定ですが、
誰がジェイソンに乗っ取られてるのかわからないっていうのは『遊星からの物体X』みたいでSFとしても楽しめる。
シリーズに今更手を出せないって人、何も考えずに手を出して、何も考えずに楽しんで欲しい。ぜひ。
- ●13日の金曜日/ジェイソンの命日(1993)
- 監督アダム・マーカス
- 出演ジョン・D・ルメイ/カリ・キーガン/エリン・グレイ