2026年2月9日

いい映画いっぱいあるのに! ~ 私の知らないわたしの素顔


50代で大学教授であるクレールは若い恋人との別れをきっかけにSNSを開設する。

そしてSNS上で知り合った元彼の友人と、自分は20代の女性だと偽り中を深めていくが・・・


フランスの名優ジュリエット・ビノシュが主演を努めたラブストーリー。

私がラブストーリーをおすすめするって中々な珍しいことなんですが、こちらただのラブストーリーではございません。

どんでん返しが待ち受けるスリラーであり、女性にとってはホラーな作品でもあるのです。


肌も胸も張りを失い、旦那は若い女性に取られ、息子たちたと会うのも日曜日だけ・・・
大学教授という地位はあるものの、女性として満たされないクレールは、24歳のクララとしてSNSアカウントを作り若い男性アレックスとの偽りの恋愛にのめり込んでいくのです。

年齢を重ねた女性ならくぅぅぅぅぅぅぅ!と胸が痛くなるような設定であり、突き刺さるセリフも多数出てくる。
「こわいのは死じゃない、見捨てられることよ」とか、「存在のないライバル(自分が作り出した若きクララ)には永遠に勝てない」とか・・・いやぁ、脚本家さん、秀逸だわ。

今作を見てて頭に浮かんだのは、同じく若さや美に取り憑かれる女性を描いた『サブスタンス』ね。
とある薬によって若き分身スーが生まれ、彼女に徐々に生活を乗っ取られていく恐怖を描いたボディホラーだけども、そのボディ的痛々しさを取っ払い、精神的な苦痛に全振りしたホラーになってるのが今作。

その苦痛をうまく描いているのが、後半にセラピストに「もしも彼とクララとしてでなく、クレールとして出会っていたら」という小説を読ませるところ。

彼との幸せなストーリーが描かれるのだけれど、夢オチとわかっていながら夢を見ているような、それはもはや悪夢なのでは?という展開で、私はずっと『ゴーストランドの惨劇』を観ているような恐怖を味わいました。

若さや美に狂い、偽りの恋に溺れた女性がセラピーを受けて回復していく話かと思いきや、その先に待ち受けるのは・・・何とも言えない後味のラストシーンが最高にホラー!!

普段ラブストーリーを観ないホラー好きの人にもぜひ観てほしい!

もちろん純粋にラブストーリー好きな人も、クレールとアレックスの恋の行方にキュンキュンハラハラすること必至です。
ぜひご覧あれ。

●『私の知らないわたしの素顔』(2019年)
  • 監督サフィ・ネブー
  • 出演ジュリエット・ビノシュ / ニコール・ガルシア / フランソワ・シヴィル

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  • 記事を書いた人
    アサミヤカオリ
【AWAP公式ブロガー】1983年生まれ 大阪出身・徳島在住。アクリル・ペン画・クレヨン・Photoshopなど、様々な画材を用いて作成。リアル路線の人物画〜おもしろテイストのエッセイコミックまでタッチも様々。展示会出展、CDアートワーク、似顔絵作成、映画ブログなど多方面で活動中。

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