偶然出会った若い女性との会話から、建築家のジェレミーは過去の記憶を掘り起こしていく。
謎の女性テセルとジェレミーの会話がメインとなる北欧産ミステリー。
このテセルのビッチ臭がすごくて、いやビッチというより地雷女子って言った方が近いかな。
一方的にまくし立てる自分語りと「密です!(死語)」って言いたくなる距離の詰め方は病的で、猫の餌を食べた幼少期や一目惚れした女性をストーキングしていたやばい過去を聞きたくもないのに聞かされるジェレミーに同情。
前半はほとんどが彼女の身の上話で、この先はどう転ぶんだと不安になったところでどんでん返しがやってくる。北欧らしい何となく嫌なじめっとした空気感も相まって、作中に何度も耳にする「完璧」というワードがラストで重くのしかかってくる。
会話がメインとだけあってセリフ中に伏線がたくさん張られているから、なるべく頭がスッキリしている時間帯に見るのがおすすめです。
ミステリー好きな人、地雷女子好きな人、すらっとしたイケおじ好きな人、ぜひ。
- ●『ロスト・ボディ 消失』(2020年)
- 監督キケ・マイーリュ
- 出演トマシュ・コット / アシーナ・ストラテス / マルタ・ニエト