

美しい妹と比べられてばかりのアリスは妹のカレンを日常的にいじめていたが、ある日妹が何者かに殺される。
問題児であったアリスに警察も疑いの目を向けるが、次々と犠牲者が出るのだった。
1970年代のゴシックスラッシャー映画で、カルト的人気を誇る今作。
ご存じない方も多いかもしれませんが、実はこちら大元の映像が紛失したりで幻の作品になっていたのです。しかし最近になってオリジナルネガが発見され、当初の公開から約20年の時を経て日本でも劇場公開されました。
カルト的人気があると前述しましたが、何がそんなにも人気なのかというと主人公であるアリスの太々しさと「黄色いレインコート」「切れ味抜群の大きな刃物」「不気味なマスク」というアイコニックなアイテムの存在が大きい。
話の軸になるアリスはいつ人を殺めてもおかしくないような不良少女で、大人には平気で刃向かうしゴキブリで大男へ仕返ししたりと鼻持ちならない少女。
彼女は大人にいたずらするときにいつも黄色いレインコートと不気味なマスクを被っているのですが、連続殺人事件が起こる時も必ずそれを纏った人物がウロウロしている。
それがうまくサスペンスとして機能していて(あまりネタバレになるから書けないのですが)衝撃のラストへと繋がっていくのです。
果たして連続殺人事件の犯人は誰なのか。
緊迫感のある音楽とカット割りに一瞬も目が離せない傑作です。ぜひ!
- ●『アリス・スウィート・アリス』(1976年)
- 監督アルフレッド・ソール
- 出演リンダ・ミラー / ミルドレッド・クリントン / ポーラ・シェパード