2022年3月20日

【vol.4】明日は汽車に乗りたい。目的は無い。/ミスミアヤカ

ご機嫌いかがですか。
ミスミアヤカです。

突然顔を出してきた春の陽気に戸惑いながらも、温もりを含んだ風が心地よいと思えます。こんな季節にはついお出かけをしたくなりますね。

今回のテーマは「旅」。

お家にいるあなた、外にいるあなたが、ほっと一息つける時間になりますように。
どうぞ、ご覧ください。

どこまでも行けないことを知った日に知らない街の駅で降ります

名も知らぬ鳥の瞳はヒトよりも異国を見つめて今日も開くわ

きみだけの世界を見せてクレヨンで道をなぞった旅行日記を

最後に旅行をしたのはいつだったのかと思い返してみて、そもそも旅とは何なのかと考えることがあります。誰かと、もしくは一人で行ったことのない街に行き、その土地の名物の場所や料理などを楽しむのも旅。また、普段は降りない駅やバス停で下車をして、その場所を歩いてみるだけでも旅だと思います。私は、「旅」のことを思うと、いつも、汽車への想いを馳せるのです。

汽車。学生のときには毎日のように乗っていたのですが、社会人になってからは乗る機会が無くなってしまい、時々見かける度になんだか懐かしく感じます。なんとも言えない淡い緑色や水色の機体や、カタンコトンという優しい走行音。三十分に一度やって来る暖かな時間。当たり前に日常に存在していたものが、環境が変わることによって懐かしさの対象になってしまう寂しさをやや覚えています。
何度か、最寄り駅よりふたつみっつ離れた駅で下車をして、駅の周辺をひとりで歩いたことがあります。綺麗に整備された綺麗な花壇や鯖寿司の美味しい食事処に出会えたことを思い出しながら、あれもきっと旅だった、と記憶にそっと蓋をします。

この春、徳島を離れる人々も、ふとした瞬間に汽車のことを思い出すでしょうか。
この春、汽車に乗り始める人々は、どんな感情を抱くのでしょう。
あなたにとっての思い出の「旅」はどんなものでしたか?いつか、あなたとお話してみたいものです。

それでは、また、

  • 記事を書いた人
    ミスミアヤカ
【AWAP公式ブロガー】徳島県在住。詩人・歌人を志し、文芸創作活動中。高校生の時から現在に至るまで、小説や詩、短歌の作品を作り続けている。

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