

6年の刑期を終えた元警官のジョーは再起を狙うも、うまくいかないことばかり。
それどころか彼の犯した罪が明るみになろうとする中、さらに手を汚さなければならない事態に追い込まれていく。
『ゲーム・オブ・スローンズ』で有名なニコライ・コスター=ワルドー主演のクライムサスペンス。
あらすじにもあるように、彼演じるジョーは何をしてもうまくいかない。
いや、正確に言うと、彼の周りの人間がどんどん破綻していく。
彼自身は何もしていないのにも関わらず、周りを踏み台にするかのように難題をクリアしてしまう様はとってつもなく感情移入できない。
特に可哀想なのは家族を崩壊させられる父親。常に憂いを帯びた目をするロバート・フォスターが演じているから余計に哀愁漂ってるんですよねー。
だ・け・ど。
彼によって良からぬ方向に追いやられる人々も、何かしら間違っていて。
父親は父親で、今まで散々息子であるジョーを甘やかせては好き放題させてきた微ネグレクトを自覚しているし、ジョーと良い仲になる女性は清廉潔白な人物でありながらも最終ジョーのために手を汚してしまうし、本当の善人というか、視聴者として肩入れして観れる人がいないというどうしよもなさ。
全く救いのない作品なんだけど、個人的に大好きなニコライ・コスター=ワルドーのラストの演技が素晴らしくてみんなに観てほしいのだ!
救いようのないラストだけど、彼の本意気の演技が痺れる!
クライムサスペンスとしては地味だけど、点と点が交差した時のバイオレンス描写が最高です。ぜひ。
- ●『スモール・クライム』(2017年)
- 監督エヴァン・カッツ
- 出演ニコライ・コスター=ワルドー / ゲイリー・コール / モリー・パーカー